LOVELYZがLOVELYZらしい音楽で還って来ました。
26日午後6時、LOVELYZの5thミニアルバム「SANCTUARY」がリリースされました。ファンに温かい居場所を感じてほしいという願いの込められた今回のアルバムには、複数の作家陣による多様なジャンルの曲が収録されています。
アルバム全体を通して、LOVELYZが初期から示して来た王道の音楽性が感じられ、最初からアルバムを追って来たファンとしては、どこかホッとするムードがあります。それが特に表れているのがリード曲「Never Ending」です。
タイトル曲「見つけてください」のバックトラックが基盤になっているこの曲は、インストゥルメンタルのみなことで、サウンド面でより一層LOVELYZらしさが抽出されています。そして「Never Ending」「見つけてください」の2曲共に、作曲にはONEPIECEのSPACECOWBOYが参加しています。
(白いマスクがSPACECOWBOY)
SPACECOWBOYはユンサン率いるプロデュースチームONEPIECEのメンバーで、楽曲制作では欠くことのできないユンサンの片腕的存在。そのSPACECOWBOYが今回のLOVELYZのアルバムで主要楽曲を作曲しているのですが、ひとつ気づいたことがあります。
「Never Ending」「見つけてください」の2曲共に、クレジットは「ONEPIECE」ではなく、またそこに「ユンサン」の名もありません。実際はユンサンも作曲に絡んでいるのかもしれませんが、もしそうではないとしたら、今まで“これぞLOVELYZサウンド”と思っていた音楽性の大部分が、SPACECOWBOYによるものということになります。
「Never Ending」「見つけてください」はコード進行も「Destiny」を思わせるLOVELYZの王道で、70'sニューミュージックのような少し懐かしい雰囲気を持っています。これはユンサンならではだと思っていましたが、もしかしたらSPACECOWBOYの作風にも、こうした要素があるのかもしれません。
そして「見つけてください」を作詞したSweetuneは、LOVELYZとは2度目のタッグですが、実は3年前にデビュー直後のTWICEと対戦した番組で、LOVELYZがカバーした曲のリメイクを担当していました。これがまた偶然にも「Destiny」的なムードで、LOVELYZによくマッチしていたことを覚えています。
取りまとまりがなくなりましたが、つまり何が言いたいかというと、今回のLOVELYZのカムバックはタイトル曲「見つけてください」も含めて最高だということです。
たしかに時流の中心からは外れているし、LOVELYZ以外のファン層から支持されるかと言えば疑問もあります。また、ヒットチャートで1位を狙うようなタイプの曲ではないのかもしれません。
しかし、多くの韓国ファンは今回のカムバック曲を歓迎し、曲、MV、メンバーのビジュアルも最高だと言っています。LOVELYZには、他のグループには決して出せない独自の音楽的ブランド性があり、それを踏襲した新作が初期から追っているファンの心を捉えているのです。
今回のカムバックについて、リュ・スジョンが興味深いコメントをしています。
「嘘だと思うかもしれないですが、本当に『私たち、必ず1位を取らないと』という気持ちでは活動していません。当然、残念な部分はありますが、1位を目指しては活動しないです。頑張って練習してきたので、地上波でも1位を取ったら嬉しいでしょうが、今回のアルバムの目標は、リスナーたちの心を癒してあげることです」とショーケースで伝えました。
また他のメンバーは「成績がよければさらにいいけれど、頑張って準備したので、それをお見せするのが目標です。より成長した姿を見せることが目標です」と語りました。
11月から人気歌手たちのカムバックが続いていることについては、「各アーティストたちの魅力は比較することができないです」と、きっぱりと答え、LOVELYZにはLOVELYZの音楽があるという意志を示しました。
数年前のショーケースでは、舞台でユンサンが「LOVELYZは1位を目指すより、長く人々に愛される音楽を目指す」と言うと、「ケータイが持てないからそれは困る」と悲鳴をあげていたLOVELYZも、あれからキャリアを重ねてユンサン先生なしでも立派な発言をするようになりました。
新作アルバム「SANCTUARY」とタイトル曲「見つけてください」は、そんなLOVELYZの成長と、精神的な成熟が感じられる作品です。