2019-09-10

今月の少女 / LOONA、「KCON 2019 LA」のファンカムに見る現地ファンの熱狂ぶり…転換期の今、今後のグループの在り方を考える


LOONAの海外人気と韓国での人気を比較してみます。

CJ ENMが主催するKカルチャーコンベンション「KCON 2019 LA」が、8月15日から18日までアメリカ・ロサンゼルスのコンベンションセンター(LACC)とステープルズセンター(Staples Center)で開催されました。

今回のKCONで初めて披露した「KCON ROOKIES」には、次世代グローバルスターを予約した最高のルーキーとしてAB6IX、ATEEZ、今月の少女(LOONA)がスペシャルステージに登場しました。

この時のファンカムを見ると、ステージに立つLOONAに対し、現地ファンが熱狂的な声援を送っているのがわかります。元来、LOONAは「K-POPらしくないK-POP」として、韓国国内より、むしろ欧米を中心とした海外で人気で、アメリカのファンは初めて目の前で観るLOONAの姿に興奮を抑えられない様子です。

特にメンバーのキムリプは、ソロデビュー直後にNASAの月食にちなんだトラックリストでピックアップされて評判を呼んだほどで、黙って立っていても歓声を浴びています。



しかし一方で、LOONAは海外ファンの熱狂を集める程には、韓国国内ではまだ人気が高まっていないのが実情です。韓国の熱心な音楽ファンでさえ、「今月の少女とLOONAが同じグループとは知らなかった…」「LOONAの舞台、初めて見ました…いいですね」といった反応を見せていて、Mnetが「KCON ROOKIES」に分類していることからも、まだこれからのグループということがわかります。


ファンカムの「Butterfly」は統括プロデューサーのJaden Jeongことチョン・ビョンギ氏が、まだ初期段階だったMonoTree G-Highのデモを聴いて、「これはいい」と細かく指示しながら作り上げた楽曲です。

言わばビョンギ氏のイメージの結晶とも言える作品で、海外ファンにもとても人気です。多分、洋楽をコピーしたK-POPではなく、アジアンテイストあふれるオリジナリティが欧米ファンにはかえって魅力的に見えるのかもしれません。

そしてこの点こそが、LOONAが一部の理解あるファンダムでの人気に留まり、もう一歩抜け出せない理由のひとつなのかもしれません。ビョンギ氏は当初から「今月の少女は音楽番組で1位を獲るような人気は目指さない。たとえ少なくとも、音楽を本当に理解してくれるファンと世界観を共有したい」と明言していました。


その一方でメンバーたち自身は「覆面歌王に出たい」「音楽番組で1位になりたい」「年末の音楽祭に出たい」とごく普通の夢を語っていたので、そのギャップはどうすれば埋まるのか…と考えたこともありました。

しかしもし、多くのファンが予想するようにチョン・ビョンギ氏がLOONAを去ったとするなら、これはもしかするとグループにとってはピンチでもあり、チャンスでもあるのかもしれません。

芸術性と興行性の両立はいつの時代も変わらぬ命題ですが、LOONAは今、それを確立できるかどうかの分岐点に立っている気もします。

これまでのLOONAワールドは保持しながら、より開かれた大衆性も持ち合わせるのが理想です。それができる担い手が現れるといいです。