まず最初に「これはズルいです」と言いたいです。
とりあえず10回続けて聴いてしまいました。
9月14日、MAGICOURの4曲目のシングル「Wanna Gonna」がリリースされ、併せてミュージックビデオが公開されました。
MAGICOURの今回のカムバックは特別です。スタートメンバーはYUMEとMICHUの2人のみで、あとの3人はいずれも追加メンバーという文字通りの新体制。特にKIRARIは今回が最初の本格的な参加で、ここからMAGICOUR第2章が始まったという印象です。
さらに、そのKIRARIを始めとするメンバーたちのボーカル力のアップが目覚ましく、YUA不在の不安をまったく感じさせない、聴くだけでも楽しい仕上がりになっています。
メインボーカルのYUMEに安定感があるのはもちろんのこと、KIRARIのボーカルにはもっと伸びる可能性を感じます。やがてYUMEと共にチームのボーカルの柱になっていきそうです。KOKONAは歌声の響きがいいです。息が抜けるようなハスキーさが独特で、最も耳に残る声とも言えます。
MICHUも意外と言っては失礼ですが、声もしっかりしていて、優にボーカルラインの一角に数えられます。KIRARI同様、まだまだ伸びしろがありそうです。RICOPAはラップパートを完璧にこなしていて、そのポジションとしてはすでに完成の域に近いです。
結果として、5人体制の新生MAGICOURに少しの物足らなさも感じませんでした。それどころか、今後に楽しみしかありません。
そして新曲は、MAGICOURにはデビュー当時から楽曲提供しているCarlos K.氏と、音楽プロデューサーの佐藤鉄兵氏が共同で手がけています。
「これはズルいです」という言葉の意味は、二人の生み出す音楽が計算されたプロの仕事過ぎて、一度聴いたら否が応でも落ちざるを得ないということです。
「Wanna Gonna」は最近人気の80年代から90年代の、所謂シティポップ感が全面に出ていて、イントロのシンセ音のフレーズからその世界に引き込まれ、ネオシティポップの象徴とも言える、例の「Just the Two of Us」進行(コード)が全編を貫いています。
それに乗ってメンバーがメロディを歌うわけですが、特にKOKONAの声が良く合っていて、これだけでもう「はい、参りました」という感じです。「Just the Two of Us」進行と言っても、私が好きなiriがよく使う、2番目のコードにテンションノートを入れる手法で、このコード進行だけで3時間は聴いていられそうです。
結果、もう記事を書くのはやめて、早くまた「Wanna Gonna」が聴きたいところです。
MAGICOURの再出発の作品となったこの曲は、これまでのK-POP路線、J-POP路線とも違った、グループにとって新たな地平を切り開いています。この調子で、いい感じの曲を次々聴かせていただきたいです。