今月の少女 /LOONAには、未発表のままにお蔵入りとなった「La Maison LOONA」という幻のバラードアルバムが存在します。
このアルバムは予てよりファンの間でうわさされていたものであり、所属事務所BlockBerry Creativeは実際に2019年6月にティーザー映像を公開しました。
ここには「Crystal Ballad」「Hyper Ballad」「Bliss Ballad」の3曲が数秒間ずつ収められています。そして中でも「Hyper Ballad（Stay With Me Babe）」はLOONA史上の傑作としてフルバージョンのリリースが期待されていました。
しかし、このティーザー公開から間もなくして、統括プロデューサーのJaden Jeong氏がスタッフとの考え方の相違によりLOONAとBlockBerryの元を去ってしまいました。これにより期待された「La Maison LOONA」は完全にお蔵入りになってしまいました。
「Hyper Ballad」は2019年2月リリースのアルバム「XX」限定盤Aにも、隠しトラックとして収録されています。しかし、このバージョンはおそらくカットして短縮された音源で、またなぜかモノラル録音になっています。
しかし、何とかして「Hyper Ballad」の完全版を聴きたいというファンの思いは熱く、いくつかオリジナル編集のバージョンがYouTubeで公開されました。その中でも突出した音源がZSunder氏が手がけたバージョンでした。これがオケのみだったため、そこにLOONAメンバーのボーカルトラックをミックスしたものが登場しました（上記音源）。
さらにこの音源に、過去のLOONAのMVから切り取って編集した映像が付けられた動画がいくつか公開されました（いずれもファンメイド）。しかし、今ひとつ納得いかない編集が多いのも事実で、その不満足を埋めるように公開されたのが上記の動画です。
ファンもコメントしているように、MVからの映像の使い方にセンスがあり、現時点でこれがベストと言って良さそうです。ただ欲を言えば、ボーカルトラックはモノラルの隠しトラックではなく、「La Maison LOONA」ティーザーのステレオ版を用いて欲しかったです。
けれども、多くのファンの手により、わずか数秒のデモがここまで立派になったことがありがたいです。当面はこの動画を観て渇きを癒していくことになりそうです。
2021年8月には、和訳付きの動画も公開されました。これを観て歌詞の意味を想いながら聴くと、より一層、音楽に対する感動も深まりそうです。
