約1か月前に公開されたMV本編に比べて、最初は少し地味な印象で観ていたのですが、記事を書くためにキャプチャーを撮るうちに考えがまったく変わっていきました。
ダンスチームとしてのL!PPのダンスの魅力が詰まった場面は、実はダンスブレイクではなくて、それに続く平井美葉がハスキーな声で歌い出す箇所にありました。MV本編ではこの部分は平井美葉の顔のアップが映っていますが、Dance Shot ver.では、その時メンバーがどう踊っているかがよくわかります。
一見、メンバーがそれぞれ自由に好き勝手に踊っているように見えるものの、実は計算通りで引きで見ると実にきれいにまとまっています。ひとつの流れを決めておいて、その中で遊んでいるかのような余裕がカッコいいです。
K-POPは「カル群舞」といって、刃のように鋭く動きがシンクロしたダンスに重きを置きますが、このチームはそれより、決められた流れの中でどれだけ自由に遊んで楽しむかを大事にしている気がします。でも、それが一番難しいことかもしれません。
続いてボーカルについて。
平井美葉が歌う「カッコつけてメロディライン歌えば」の部分が最も強いフックになっている印象は変わりませんが、そのあとのきれいなファルセットを加賀楓が歌っていたとはわかりませんでした。
さらに、それに続いてサビがファルセットで歌われる場面にも驚きがありました。
さっきまでアクの強い声を出していた平井美葉が、一転して別人のようなきれいな裏声で歌い出し、続いて歌い手が変わったことがわからないくらいにスムースに佐々木莉佳子が歌い継ぎ、最後に秋山眞緒が締めくくるという歌割りでした。これもMV本編ではわかりませんでした。
段原瑠々がいつもの六分程度に発声を抑えて、最後の盛り上がるサビでさえ、ほとんど地声を張ることがなかったのも印象的でした。これにより、グループの声のバランスが良くなり、ユニゾンもきれいに響くアンサンブルが実現しています。
Dance Shot ver. の公開により新たな発見があったことで、あらためてL!PPは単発の企画で終わるには、あまりに惜しいチームだという思いが強くなりました。
楽曲を作詞・作曲したNONA REEVES 西寺郷太との相性もいいです。
ぜひL!PPの"この先"を見てみたいです。
(Sunset Summer Feverは、Saturday Night Feverのオマージュ?)
(海辺のロケ地はリビエラ逗子マリーナです)