人気楽曲はいかにして、今知る形になっていったのでしょうか。
30日、NewJeansはYouTube公式チャンネルを通じて、 「Ditto」&「OMG」 Recording Behind (ファイナル) を公開しました。
メンバーがどのようにして自身のボーカルパートを創り上げていくのかがよくわかる映像で、NewJeans特有のボーカルサウンドの秘密を知る上でも貴重なものとなっています。
まず印象的なのは、スタジオにはレコーディングにつきものの緊張感があまりなく、メンバーたちはリラックスして普段と変わりない、いつも通りの感じでいることです。
ハニは葉っぱのおもちゃを手で揺らしながら、半分遊んでいるような姿でレコーディングにのぞんでいます。上手くいって褒められると葉っぱを振って喜びました。
ダニエルは歌詞にあわせてニコニコ笑いながら歌っています。
リラックスモードのメンバーたちの姿のほかに、もうひとつ印象的だったのはディレクターがメンバーのボーカルに対して出す指示の内容です。
通常であれば呼吸や発声など技術的なことに触れそうなものですが、NewJeansの場合それはなく、「もっとラブリーに」「もっと可愛く」「もっとときめくような感じで」といった、感覚的な指示がほとんどでした。
NiziUを生んだ「Nizi Project」の放送の中で、JYPのボイストレーナーが練習生に向かって「声が可愛くない!」と叱りつけたことがありました。
最初は「何を言ってるんだろう?」と思いましたが、考えてみるとK-POPガールズグループは歌が上手い以前に、まず声が可愛いメンバーが多いです。
例えばJYPの場合TWICEのナヨンは声がキラキラしてとても可愛いです。NewJeansは圧倒的な"ザ・メインボーカル"はいない代わりに、メンバー全員が均等に魅力的な声で、グループとしての調和もとれ、聴いていて心地よいです。
また無理にハイトーンを地声で押し通すこともなく、自然にファルセットに移行しています。常に発声は8分くらいで力みもなく、ロングトーンの見せ場を作ることもありません。すべてが自然体なのです。
プロデューサーのミン・ヒジン代表は、自身が特に愛する音楽としてボサノヴァのスタンダード曲「イパネマの娘」を挙げていました。アストラッド・ジルベルトがささやくように歌う清涼で透明感ある楽曲です。
NewJeansの音楽の根底には、いつもそれがあるような気がします。
(追記)
声の"可愛さ"については事務所の方針、グループまたは楽曲のコンセプトなどにもよるので、一概にすべてのケースに当てはまるとは言えません。私自身は少しハスキーで落ち着いたトーンの歌声にも魅力を感じてとても好きです。