今月の少女(LOONA)には、未発売の幻とされるアルバムが存在します。
「La Maison LOONA」、別名「Loona the Ballad」とも呼ばれるこのアルバムは、2019年6月1日にティーザー映像が公開されました。
1. LOONA 1/3 - Crystal Ballad
2. ODD EYE CIRCLE - Hyper Ballad
3. yyxy - Bliss Ballad
これらのタイトルは仮のものですが、聴こえる音源はすでに完成したトラックから、それぞれの一部分を抜粋したものと思われています。
LOONAの初めてのバラードアルバムに対するファンの期待は高まりましたが、残念ながらこのアルバムは公開されたティーザーを最後にお蔵入りしてしまいました。
理由はこの時期に、リーダーのハスルが休養に入ったことと、統括プロデューサーのJaden Jeong氏がスタッフとの意見の相違により、Blockberry Creativeを去ってしまったことによります。
アルバムのマスターはJaden Jeong氏の手にあり、すでにそれを破棄してしまった、あるいはBBC側に音源は残されていて、リリースの機会を待っているだけなど様々に憶測を呼んでいますが、事実は「バラードアルバムは眠ったままである」ということのみです。
しかし、世界のファンはLOONAのバラードアルバムが世に出ることを待ち続けています。それは短いながらもティーザーで聴かれる音楽は格別なものであり、フルバージョンがリリースされれば間違いなく名作の評価を受けるだろうと予想できるからです。
3曲あるうちでは、2曲目のODD EYE CIRCLEが歌う「Hyper Ballad」が特に注目されています。メンバーが歌うファルセットのコーラスと、シンセで奏でられるオケが違うリズムを刻んでいることで、聴いたこともないような浮遊感が生まれています。
またコード進行も10CCの名曲「I'm not in love」を思わせるような、ノスタルジックで感傷的なムードに満ちていて、どう転んでも傑作でしかあり得ないと思わせるものがあります。
その結果、この年の11月にZSunderと名乗るミュージシャンが、自身のYouTubeチャンネルで「Hyper Ballad」の精巧なインストゥルメンタルを公開しました。まるでオリジナル音源のようなその出来栄えにファンは歓喜しました。
「La Maison LOONA」のティーザー映像が公開されてから、6月1日で2年になります。もし、まだ存在するのなら、ぜひ幻のバラードアルバムをリリースしてほしいと願うファンの声は、今も途絶えることがありません。
(補足)
今月の少女(LOONA)は、「La Maison LOONA」のティーザー映像公開に先立ち、[XX]リパッケージアルバム限定Aバージョンに秘密のボーナストラック(隠しトラック)として「Hyper Ballad」のショートバージョンを収録していました。
また同じように、[XX]リパッケージアルバム限定Bバージョンには隠しトラックとして「Crystal Ballad」のショートバージョンを収録しています。