平昌五輪で韓国を訪れた北朝鮮芸術団の三池淵(サムジヨン)管弦楽団が8日午後、江原道江陵アートセンターサイムダンホールで開かれた「平昌冬季オリンピック・パラリンピック成功祈願 三池管弦楽団特別公演」に出演しました。1時間20分に及ぶ公演では韓国の歌謡曲を始め、ミュージカル、映画音楽からクラシックまで、様々なジャンルの演目が披露されました。
この公演で特に注目されたのが、5人組ガールズグループによるダンス&ボーカルのステージでした。芸術団から選ばれた5人のメンバーは、赤のノースリーブに黒のホットパンツという衣装でまず目を引き、その後始まったポップス調の軽快なナンバーにあわせて、激しく歌い踊る姿で観客を熱狂させました。
三池淵(サムジヨン)管弦楽団はモランボン楽団やチョンボン楽団など、北朝鮮の複数の楽団から集められた、五輪のための特別な集団です。ヒョン・ソンウォル団長はモランボン楽団の団長も務めています。
北朝鮮で最も人気のガールズバンドと評されるモランボン楽団は、女性ボーカルを前に立てる演奏スタイルなどから、しばしば韓国の少女時代などのガールズグループと比較されてきました。今回の江陵アートセンターのステージに立った5人は、モランボン楽団の団員を中心に、特に歌唱力を評価される精鋭たちと思われます。
5人の衣装は北朝鮮の芸術団としては露出も高く、ダンスもかなり動きが大きかったため、韓国ではガールズグループのEXIDと比較する報道までありました。もちろん、最新のK-POPと彼女たちのスタイルは根本的に違うので、比較するようなものではないものの、これだけ踊りながら、少しも息が上がらずに生歌で歌いきるのは相当な技術です。
その上、メンバー全員でとても重厚なハーモニーを聴かせ、バックではオーケストラが実演奏するというスタイルは、世界的に見てもユニークだと言えます。
5人が歌った「走り出そう未来へ」は、北朝鮮国外にも比較的よく知られた曲で、YouTubeでも過去のステージ映像を観ることができます。それらと今回のステージ映像を見比べると大きな違いに気づきます。衣装が派手になっていることの他に、ダンスが大幅にチェンジされています。韓国で公演するということで、衣装も含めて明らかにK-POPを意識したことが伺えます。
過去の衣装とダンス
三池淵(サムジヨン)管弦楽団は11日に、ソウルで二度目の韓国公演を行ったあと帰国する予定です。お伝えしている通り、当初500席の会場に対して15万件の応募が殺到し、オンラインのチケット取引は無料から300万ウォンにまで高騰する過熱ぶりです。
ソウル公演は会場規模が広くなるため、さらに本格的なステージが期待されます。しばらくは芸術団への熱狂が続きそうです。
Samjiyon ガールズグループ - Dash to the future (走って行こう未来へ)
5人組ガールズグループ三池淵管弦楽団 江陵アートセンター公演 [fancam]
2018平昌オリンピック記念 北朝鮮芸術団特別公演 [高音質 full version]
*5人組ガールズグループは、20:00 に登場します。