Billlie | 'trampoline' M/V 今から10数時間前、時を同じくして2組のK-POPガールズグループが傑作MVを公開しました。まずひとつ目はBilllie。これまでにもBilllieはクオリティの高い楽曲を数多くリリースしてきましたが今回は格別です。鬼才ハンジョンスPDがいよいよその正体をむき出しにしてきたという感じ。作詞・作曲・編曲に名を連ねるC'SAは、かつてシンシアの名で「MOMOLANDを探して」「アイドル学校」に出演したことでも知られています。2021年からプロデュース業を開始しBilllie以外にもaespa、NMIXX、fromis_9、Kep1erなどに楽曲を提供してきました。ハンジョンスPDとC'SAは要注目です。

XG - IYKYK (Official Music Video) 二つ目はXG。2001年にリリースされたm-floの"Prism"をサンプリングした楽曲で、2-Stepリズムが生み出す疾走感が、これまでにないXGの新たな魅力を引き出しています。デビュー前からXGを育ててきたサイモンPDもいよいよ遠慮なくなってきました。YouTubeコメント欄にはm-flo本人が感謝のメッセージを記しています。


2019-03-17

SONAMOO、カムバックに向け新しいアルバムの準備中も、音楽番組への出演はなし…実力派グループに一体何が?


SONAMOOほどブレイクしないのが不思議なグループもめずらしいです。

2014年12月のデビュー以来、コンスタントに質の高いアルバムを発表し続け、2017年にはディエナが「アイドルドラマ工作団」で話題になり、その後ウィジンが「THE UNIT」のデビュー組グループUNI.Tに選ばれるなど、何度か追い風も吹きました。

メンバーはビジュアル、パフォーマンス、ボーカルでも一定以上のレベルで、特にミンジェとハイディのツインボーカルは、現行K-POPガールズグループでもトップクラスです。ハイディのあのハイトーンが、まったくと言っていいほど話題に上らないのも、ただただ不思議としか言いようがありません。


そんなSONAMOOが最近、カムバックに向けてアルバムの準備中とのニュースがありました。14日時点の取材で所属事務所側は「現在のSONAMOOは新しいアルバムの準備中だ。アルバム発売の時期は未定でまだ決まっていない。音楽放送の活動なしに、新しいアルバムのみを発売するようだ」と述べました。


SONAMOOはクラウドファンディングのMAKESTARで、2017年11月に新しいアルバム制作の目標額を達成しています。現在準備中のアルバムはおそらくこのことだと思いますが、せっかくアルバムが完成しても音楽番組の出演なしは、少し寂しいものです…。



SONAMOOの所属事務所TSエンターテインメントは近年、経営面で困難な状況が続いていて、弟グループのTRCNGは2018年1月のシングルリリース以来、消息不明になっています。そうした状況が関係するのか、B.A.P、Secret、SONAMOO、TRCNGなどを育てたキム・テソン代表が、2018年4月に突然この世を去ってしまいました。

ある音楽関係者は、キム・テソン代表が死の前日に「連絡なしに突然訪れて、自分の会社の所属歌手のことをよろしく頼むと言っていた。他のことは言わずに、その言葉だけ繰り返して帰った。結局、それが最後の挨拶だった。本当に悲しい」と語っています。

死因は明かされていません。キム・テソン代表は亡くなる直前までTSエンターテインメント所属歌手のことばかりを考えていて、所属歌手を実の子供のように大切にしていたといいます。


SONAMOOが音楽番組の出演なしに活動する理由は、衣装代など出演の資金が用意できないというより、DSPのマネージャー時代から築いた、キム・テソン代表の音楽業界とのコネクションが途絶えてしまったことが大きいかもしれません。

マネージャーにとっては、音楽番組への出演交渉こそが最も大きな仕事で、またそれを取り付けるには何年もかけて築く、プロデューサー、ディレクターとの信頼関係が不可欠と聞いたことがあります。



(生歌全開、SHOW CHAMPIONの「I Like U Too Much」ステージ)

ところで私は、2016年6月にリリースされたSONAMOOの「I Like U Too Much(넘나 좋은 것)」がとても好きで、未だにことあるごとに再生しては聴いています。

この曲は楽曲としての構成が優れていて、ファンキーな頭サビから始まり、80年代の英国ニューウェーブを思わせるAメロ、アイドルソングの王道のようにメロディアスなBメロ、さらに2番目のコードでビートルズばりにドミナントマイナーに転調するサビなど、めまぐるしく様々な顔を見せ、聴く者を飽きさせません。

そして何と言っても最大の見せ場は、大サビでのミンジェとハイディの掛け合い。上を目指して2人のボーカルは徐々に高まり、ついにハイディの最高音F♯5でハイトーンは頂点に達します。この部分の突き抜けた爽快感は「I Like U Too Much」の白眉です。


記事にまとまりがなくなってしまいましたが、とにかく何が言いたいかといえば、SONAMOO、このまま終わってしまっては、あまりに惜しいということです。あれだけのハイトーンの絡みを聴かせられる現行のガールズグループは、SONAMOOを置いて他にはそうはいません。

一部には今度のアルバムが、SONAMOOの最後のカムバックになるかもしれないと危惧する声もあります。事務所の現状を考えれば、多分誰もが思うところです。

しかし、音楽番組が難しいとしても、イベントステージなど活動の舞台はいくらでもあるでしょう。そうした場所を通じて、他では聴けないステージを見せ続けて欲しいです。


190222 慰問列車 SONAMOO - I(Knew It)+ I Like U Too Much

(今年2月のSONAMOO最新ステージ。吐く息も白い真冬の野外舞台で熱演)





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