女性ボーカルの評価の基準は、80年代のホイットニー・ヒューストン、90年代のマライア・キャリー、セリーヌ・ディオン、そして2000年代のビヨンセなどの登場によって完全に書き換わってしまいました。
すなわち、力強く聴く者を圧倒するようなハイトーンが最良とされ、それ以外は以前のようには目立たない存在になってしまいました。特にサバイバルオーディションの評価ステージでは、どうしてもK-POPメインボーカルのような、わかりやすく目を引く歌唱が有利になってしまいます。
「Girls Planet 999」に参加する中国出身の王雅乐(Wang Yale)は、これまでに3回のサバイバルショーに参加しており、「Girls Planet 999」は4回目の挑戦です。
3回目にあたる「青春有你2」(Youth With You 2)に出場した王雅乐は、ダンスメンターであるBLACKPINKリサから、「あなたはガールズグループシンガーのあるべき姿だと思う。あなたにはその要素がある」との言葉を受け、別のメンターである蔡徐夷からは、「あなたの声が本当に好きだ」と褒められました。
多くの称賛を受けたものの、その才能は充分には評価されておらず、「青春有你2」では最終的に80位に終わっていました。
夜のバーか少人数のライブハウスなどで、ピアノ一台をバックに歌う王雅乐のステージが見てみたいと思いました。きっと最高の気分になりそうです。
ただ、こういう面はサバイバルでは中々、表に出し辛く、また出したとしても評価されにくいということがあります。リサは同タイプのロゼの歌声を間近に聴いているので、王雅乐の歌にも同じような魅力を感じていたでしょう。また、蔡徐夷もそうした意味で、「あなたの声が本当に好きだ」と評価したのだと思います。
このことが、間もなく始まるサバイバルオーディションにおいても、世界のファンに伝わり理解されるといいです。そろそろ、パワフルなハイトーンばかりでなく、こういう意味での"いい歌"が、評価される時代になってほしいです。