果たしてXGは音楽シーンを塗り替える変革を起こすことができるのでしょうか?
HIPHOP/R&B ガールズグループ・XG(エックスジー)が、3月18日に1stシングル「Tippy Toes」をリリース、併せて同曲のMVも公開されました。
avexの松浦会長が自身のYouTubeチャンネルで「秘密兵器」と表現したこのグループ。メンバーは全員が日本人ながら、卓越したダンス&ボーカルスキル、また日本のガールズグループとは思えない洗練されたビジュアルで多くの注目を集めてきました。
将来的には、韓国のガールズグループKep1erの江崎ひかるが合流することでも話題を呼んだXG。事前に公開されてきた各種ティザーの段階から、他のガールズグループとは異質のスタイルを示していたこともあり、デビュー曲「Tippy Toes」とそのMVには音楽ファンの大きな期待がかけられていました。
しかし、実際に公開されたデビュー曲「Tippy Toes」とそのMVは、意外とも言えるほどに静かで、これといった山場のないものでした。最も盛り上がるべきサビでも、徹底したウィスパーのリフレインで貫き通され、唯一の見せ場は2コーラス後にジュリアが歌う、メロディラインがハッキリした部分くらいでした。
最初に聴いた時は「これで終わり?」と、やや拍子抜けの感が否めませんでした。強烈なフックやパワフルなハイトーン、ダイナミックなダンスなどを持ち味とするK-POPに聴き慣れた耳には、尚更物足らなさが残りました。これではティザーで見せたメンバーたちのスキルが活かされていないとも思いました。
しかし、二度三度と聴き返すうちに、これこそがXGの狙いなのだと気づき始めました。つまり、彼女たちはK-POPでもJ-POPでもない、もっと世界基準の音楽をめざしているのです。だからこそ、他のグループとの差別化を図るために、あえてデビュー曲としては静かなスタイルを選び、歌詞も全編を英語詞にしたのだと思います。
さらに、その狙いは的中していると言えそうです。YouTubeのコメント欄には多くの海外ファンからの書き込みが続き、その内容は概ね良好です。おそらくXGの音楽は、洋楽志向の強いファンからより受け入れられる気がしました。
日本からこうしたガールズグループが生まれたことは驚きであり、また誇りにすら感じます。これならK-POPに引け目を感じることなく、日本にもこういうグループがいるのだと胸を張れそうです。
あとはどうプロモーションしていくのかということになりそうですが、ネットの時代ですからYouTubeやSNSなどを通して、多くの音楽ファンに拡散していけばいいと思います。
Tippy Toes
発売: 2022.03.18
作詞: Rachel West・Hwaji・Elmo
作曲: Jakops・220・Wutan
作曲のJakopsは、2014年3月19日にリリースされたAileeの「スキ」でも、彼女と共に作詞・作曲を担当しています。