宮脇咲良と矢吹奈子のHKT48コンサート出演問題は、解決の糸口が見えないまま双方のファンの論争が続いています。
2日、HKT48が公式サイトで宮脇咲良と矢吹奈子が15日のHKT48コンサートに出演することを発表して以降、韓国のIZ*ONEファンと日本のHKT48ファンが、それぞれの主張をSNSで展開しています。
韓国ファンは3日に、専任の約束に反するとして、コンサート出演の撤回を求める声明を発表。それを受けて日本ファンは2人の出演の正当性を細かく説明しています。
この件は、どちらの視点に立つかで考え方が違ってくるため、一概にどちらが正しいとは判断できません。そのため、議論はいつまでも平行線をたどったままです。
今回の2人の出演は、9月に予定されていたHKT48の壮行会が、雨で中止になったため用意された代替公演です。この会場を確保するのが容易ではなかったと指原莉乃はTwitterで打ち明けていました。HKT48ファンとしては、これから2年半を韓国で過ごす2人を気持ちよく送り出してあげたい。だからIZ*ONEの韓国ファンにもわかってほしいという思いです。
また一方の韓国のIZ*ONEファンとしては、「とにかく約束は約束だから」という思いで、「専任」と一度正式に発表した以上、それは守ってほしいという思いです。「一日ぐらいいいではないか?」というHKT48ファンの思いが通じないのには理由があります。
過去、韓国では「PRODUCE101 Season1」からI.O.Iが誕生した際、初めての番組発のグループで、契約上の整備がされないまま発進しました。結果、I.O.Iメンバーが所属するそれぞれの芸能事務所が、gugudan、WJSN、DIAといった事務所のグループとの「兼任」を発動させ、一時はI.O.Iが11人中7人のみでカムバックしたこともありました。
I.O.Iの活動期間は約1年でしたが、そのうち半分近くの期間は11人完全体ではありませんでした。また、兼任メンバーがI.O.Iのステージで忙しさから振付を忘れてしまう「兼任」による弊害もありました。
そして何より韓国ファンが怖れているのが、宮脇咲良と矢吹奈子のHKT48コンサート出演を認めれば、例え一度とは言え「専任」の聖域が崩されることになり、IZ*ONEのほかのメンバーの各事務所が、それぞれの新しいガールズグループを発動させる可能性が生まれることです。
それがIZ*ONEの「兼任」につながり、I.O.Iの二の舞になってしまうという危惧です。実際、IZ*ONEメンバーそれぞれの元の所属事務所は、このことがあるため事務所発進の新グループや、個人活動をセーブしています。
(4日に発表された日本ファンの声明)
HKT48ファンとIZ*ONEファンのどちらの立場にも立たないフラットな視点で考えると、今回の一件は運営の発表の仕方の不備に問題が集約されると思います。宮脇咲良と矢吹奈子の出演に関して、もっと細かく背景となる事情の説明をして、あくまで一夜限りの壮行会であることを伝え、それに対するIZ*ONEファン側の理解を求めるべきでした。公式サイトに掲載された文面だけでは、それらが正確には伝わってきません。
宮脇咲良と矢吹奈子はHKT48のメンバーであると同時に、現在はIZ*ONEのメンバーでもあります。そして「専任」として、今はIZ*ONEの活動に従事しています。そこへの配慮が足らなかったことは否めません。
ところで今最も心配なのは、韓国のIZ*ONEコミュニティの投稿が、怒りを通り越して興覚めのムードになっていることです。また、別の芸能コミュニティでは、普段であれば投稿の半数がIZ*ONE関連なのに、出演発表のあとから2日近くも、IZ*ONEに関する投稿がほとんどありません。
所属事務所及び、運営の沈黙は事態を悪化させるばかりです。大げさではなく、IZ*ONEの今後に関わる大きな問題として捉え、早急な公式からの詳細にわたる説明が必要です。