NewJeans、tripleS、LOONAなど、特に音楽性が際立つガールズグループが好きな方に、お勧めの音楽プロデューサーをご紹介します。
Jarreau Vandal (ジャロー・ヴァンダル) はオランダ・マーストリヒト生まれ、アムステルダム出身のビートメイカー、プロデューサー、シンガーです。
現在はアメリカ・サンディエゴ在住。ビート・ミュージックにおける最先端の音を基調にしつつも、往年のソウルやジャズ、R&Bなどのテイストを併せ持つ、未来的かつオーガニックなサウンドを発信する音楽クリエーター集団Soulectionの代表的プロデューサー。
幼少期からヒップホップやR&Bを聴いて育ち、10代半ばで楽曲制作を開始。その後、LAで開催されたビーチ・パーティーでプレイしていた際、多次元に渡るジャンルの音像を空間的な音律へと構成する独特なセンスがSoulectionメンバーの耳に留まり、クルーに迎え入れられました。
Soulectionの人気と共に自身の評価も同時に高まり、2013年にはLOW END THEORYやコーチェラ・フェスティバルなどのビッグパーティーに出演。翌年には日本も含むワールドツアーを敢行し、2015年には世界最大規模のインタラクティブ・フェスティバル、SXSWにも出演を果たしました。
幼少期の90年代に触れたジャミロクワイ、ア・トライブ・コールド・クエスト、レッド・ホット・チリ・ペッパーズなどのアーティストからインスパイヤされたシャープで洗練されたビートが特色。
歌手としてはソウルフルでシルキーなボーカル、作曲家としてはメロディが織りなすエッジが効いた爽快さとポップなサウンドが魅力です。
YouTubeでは多くの彼の作品が公開されています。自作曲ももちろん良いですが、彼の真骨頂は他者の曲を別物のように作り変えてしまうリミックス能力にあります。
その最たるものが2021年5月にリリースされたAmber Markの「Worth It」(原曲) リミックスです。ジャロー・ヴァンダルは楽曲を一度、メロディ、コード、リズムに解体してしまい、主メロだけを残してあとは独自のサウンドに作り替えています。
「Worth It」はBメロにあたる部分でコードを完全に挿げ替えてしまい、もはやまったく別の作品と言っていいほどに新たな装いに仕上げています。その部分 (0:57)がこの上なく美しいです。最初に聴いた時に思わず息をのんでしまいました。
これはもうリミックスというより二次的作曲と言っていいほどです。
デュア・リパのリミックスも秀逸。Amber Markと同様、こちらはサビにあたる部分のコードを中心に完全に入れ替えています。原曲と聴き比べればわかりますが、全編にわたりかなり大胆に手を施しています。結果、原曲にはないユニークな魅力が生まれています。
Mahaliaの「Sober」(原曲)もバラード調でスローな原曲をクールで都会的なダンス曲に作り替えています。
Amber Mark、デュア・リパ、Mahaliaのいずれも機会があればぜひ原曲と聴き比べてください。ジャロー・ヴァンダルの能力がいかに優れているかがよくわかるはずです。
以下にはリミックスではない、オリジナル曲を中心にご紹介します。
Westside - Jarreau Vandal
Jarreau Vandal - Someone That You Love ft. Olivia Nelson (Pastel Remix)
Jarreau Vandal - Nobody Else (feat. Brasstracks x Niya Wells) [Pat Lok Remix]
Jarreau Vandal - Nobody Else (feat. Brasstracks x Niya Wells)
Jarreau Vandal - What You Saying? (feat. TĀLĀ)
Jarreau Vandal - Moonlight ft. Hollie Carmen & Jay-Way
Jarreau Vandal feat. Zak Abel — Make You Love Me