中国のオーディション番組が、今後見られなくなる可能性が出てきました。
各所でも報じられているように、中国のオーディション番組が存続の危機に追い込まれる発端となったのが、牛乳の大量廃棄問題です。
中国では今月、愛芸奇(iQiyi)が制作するオーディション番組「青春有你3」で、練習生に一票を投じるためのQRコードを目当てに、ファンが牛乳や乳飲料を大量に購入し、その中身は廃棄する様子を撮影した動画が物議を醸しました。
その結果、北京広播電視局の指導により番組は制作および配信中止に追い込まれました。
さらに事態は「青春有你3」に留まらず、Tencent Videoが制作するアイドルオーディション番組「創造営2021」にも影響が及びました。最近、日本でも大人気のうちに終了した「創造営2021」は、早くもシリーズの次回作「創造営2022」のオーディションが始まっていましたが、ついに、各地での選抜活動を中止するとの公式発表がありました。
また、台湾の人気アーティストのジェイ・チョウ(周杰倫)が、メンターで再出演する予定だった中国のオーディション番組「中国好声音」(Sing! China)も、各地での選抜活動の中止を発表しました。
2015年に「中国新歌声」のタイトルでスタートした「中国好声音」では、ジェイ・チョウが4年連続でメンターを務めていました。一度はメンターを退いたあと、今年の放送ではジェイ・チョウの復帰が明らかになっていました。
しかし今月20日、「中国好声音」の制作側が、国家関連部門の決定に従いオーディション番組の選抜活動を一切中止するとした声明文を発表しました。
いずれの番組も、中止は牛乳大量廃棄の問題が原因と見られており、中国では「オーディション番組は2021年で死んだ」と惜しむ声も上がっています。
「青春有你4」と「創造営2022」はどちらも順序で、女性グループ版が開催される見込みだっただけに、それが難しくなった現状を嘆くファンも少なくありません。
一方、今年8月に韓国Mnetで放送開始のオーディション番組「Girls Planet 999」には、過去に「青春有你2」と「創造営2020」に参加した中国人練習生が、大挙出演することが空港の入国映像で確認されています。
ことによると、中国人の練習生がこれだけ多く参加するオーディション番組は、本国での制作が難しくなったため、今後は少なくなるかもしれません。そうであれば彼女たちにとっては、まさに人生を賭けた勝負ということになりそうです。