GFRIENDが新曲の予告映像で、大胆な音楽的試みを垣間見せました。
GFRIENDは2日午後、デビュー後初のリパッケージアルバム「レインボー(RAINBOW)」のタイトル曲「夏の雨(Summer Rain)」のムードティーザーを公開しました。
夏の雨にたたずむメンバーの姿からは憂いと気品が感じられ、新曲に対する期待感を高めています。 また、背後に流れるピアノのインストは格調高く、これまでにないGFRIENDの新たな世界観を提示しています。
この美しいピアノの旋律は、ドイツロマン派の作曲家シューマンが、ハイネの詩に作曲した歌曲集「詩人の恋op.48」から、第1曲「美しい五月には」のピアノ伴奏をサンプリングしたものです。ピアノ作曲家のシューマンらしく、伴奏も表現豊かで充実しています。
「夏の雨」のティーザーでは、「美しい五月には」のピアノ伴奏が全面に引用され、それをBGMとしたGFRIENDのイメージビデオのようにも感じられます。とても美しいです。
「美しい五月には」の前奏は調性が曖昧で、恋する心のよろこびとも憂いともつかない、微妙な心情を表現しています。GFRIENDの「夏の雨」も、時には気まぐれながら美しい愛を、夏の雨になぞらえ表現した曲と伝えられています。前作「耳をすませば」の夏らしい溌剌としたイメージとは違った、GFRIENDの新たな魅力に触れることができそうです。
GFRIENDは13日午後6時にアルバム「RAINBOW」発表し、タイトル曲「夏の雨」で活発に活動する予定です。
ヨーロッパの旅番組でウィーンを訪れていたGFRIEND
GFRIENDは昨年公開されたヨーロッパの旅番組でオーストリアの音楽の都ウィーンを訪れていました。そこではウィーンの中央公園を訪ね、大作曲家シューベルトの墓前に立ちあいさつをしていました。
また、ボーカルラインのユジュ&ウナは、ザルツブルグのモーツァルトの生家を訪れ、直筆の楽譜やモーツァルトが使用したピアノなどに接していました(モーツァルト記念館の案内人は韓国人でした)。
「シューベルトさん、韓国で活動するGFRIENDといいます」
ザルツブルグのモーツァルトの生家(現在は記念館)
余談ですが、シューマンの「美しい五月には」の旋律は、明らかにシューベルトの即興曲op.90-3をモチーフとしています。シューベルトの稀代の名曲を、シューマンは無意識に引用してしまったのかもしれません。
*シューマンはベートーヴェンやシューベルトを継ぐとされるドイツロマン派の作曲家です。歌曲、ピアノ曲から交響曲に至るまで名作を残し、評論家としての顔も持つほか、ブラームスの才能を見出し育てた師匠としても知られています。
「美しい五月には」 シューマン 歌曲集 "詩人の恋" op.48-1
シューベルト:即興曲 Op.90-3 Schubert: Impromptu in G flat Op. 90 No. 3