一時代を築いたガールズグループの成功の背景には、いつも優れた音楽プロデューサー (作曲家) とのベストマッチなタッグがありました。
・KARA X Sweetune(Mr., Lupin, Jumping, STEP)
・AOA X 勇敢な兄弟(MiniSkirt, Short Hair, Like a Cat, Heart Attack)
・TWICE X ブラックアイドピルスン(Like OOH-AHH, CHEER UP, TT, Likey)
ではこの例を第4世代に当てはめた場合、思い当たるグループはあるでしょうか?
あります。今を時めく第4世代のトップグループNewJeansです。
そして彼女たちの成功を支えるのが、NewJeansのデビューアルバム1st EP 'New Jeans'のタイトル曲および収録曲作曲を担当した音楽プロデューサーの250 (이오공)です。
彼が作曲を担当したNewJeansの「Attention」と「Hype Boy」は各種音源チャート最上位圏を記録、その後、先行公開曲である「Ditto」の作曲を引き受け、この曲も1位を記録し、1年に3つの曲を1位に上げ、作曲家として最高の一年を送っています。
250は、Beasts And Natives Alike (BANA)に所属するDJであり、韓国の音楽プロデューサーです。名前は「イオゴン」と読みます。
梨泰院(イテウォン)DJシーンで長く活動してきたDJ、プロデューサーである250は、BANAに合流してからは、イセンスの<Everywhere>と<飛行>、キム・シムヤの<Interior>などヒップホップトラックをプロデュースしました。
DJを始めたきっかけは、学生時代から音を多様に操作することに興味を感じたためで、高校生の時からヒップホップサークルを結成して自分の音楽を作り始めました。
2015年11月、梨泰院で開かれたf(x)のカムバック展示会である「4 Walls Exhibition」で展示音楽を担当し、<4 Walls>公式リミックス2曲を公開しました。
このリミックスは、従来の流れから抜け出した果敢な文化的試みで注目されてきたBANAとSMの実験的なコラボレーションの一環で、BANA所属アーティストである250(イオゴン)とXXX(X-X)のFRNK(フランク)が、f(x)のタイトル曲「4 Walls」を一様に再解釈して、原曲とはまた違う魅力を生み出しています。
f(x) - 4 Walls 250 Remix
f(x) - 4 Walls 250 Blue Remix
そして、2016年9月8日、SM STATIONを通じて「ドキドキ(Pit-A-Pat) 250 Remix」とミュージックビデオを公開しました。BoAの<Pit-a-Pat>を原曲としたリミックスです。
250 - ドキドキ(Pit-A-Pat) 250 Remix
その他にもBoAの<Christmas Paradise>、NCT 127の<Chain>、<My Van>、ITZYの<Gas Me Up>などのK-POPトラックを作曲し、ジャンルの境界を越えた様々なスペクトルを見せています。
作曲家としてはこうした過程を経て、2022年からはADOR所属のガールズグループNewJeansのメインプロデューサーを務めています。
しかし実際には「Attention」は2年前から用意されていたとミン・ヒジンCEOは語っているため、250もその頃から作業を共にしていたと考えられます。
また、ミン・ヒジンCEOと250のつながりは、2015年の「4 Walls Exhibition」あたりに生まれたと推察できます。この時点ではミン・ヒジンCEOはまだSM所属のクリエイティブディレクターでした。
ちなみに、250は2022年3月18日に、自身がアーティストとしてアルバム『ポン(뽕)』を発売しました。こちらも批評家の高評価を受けています。
自身のアルバム曲からはNewJeansへの提供曲との接点はあまり感じられませんが、これは他者のプロデュースも手掛けるアーティストによくあることと言えます。
おそらくミン・ヒジンCEOは、「4 Walls」のリミックスなどに250のセンスを見出し、NewJeansのメインプロデューサーを任せたのかもしれません。「Attention」が初めて世に出た時、各所で「4 Wallsの頃のf(x)の雰囲気がある」との感想を目にしました。
ともかくも、ここまでのNewJeansと250の相性は抜群と言えそうです。しばらくはこのタッグにより、いくつもの優れた楽曲が生まれることに期待して良さそうです。
[4K] NewJeans - “Ditto” Band LIVE Concert [it's Live] ライブミュージックショー