中国版プデュ「青春有你2」では、参加する練習生たちのビジュアルに圧倒的に注目が集まっています。ツイッターのタイムラインでも、ほとんどが練習生たちの出勤写真か、過去にWeiboに掲載された写真が扱われています。
たまにパフォーマンスを紹介する動画も流れて来ますが、その90%以上はダンス動画です。メンターSHEのEllaが制作発表会で「練習生たちは皆ダンスに焦点を合わせている。私たちが欲しいのはダンスグループではなく、アイドルグループです」と言った程です。
「創造101」の時から感じていたことですが、確かに中国の女性アイドルはダンスではK-POPレベルに近づいているものの、ボーカルではまだ遠く及ばないと思っていました。
ところが、そうした概念を覆してくれそうな練習生を見つけました。徐紫茵(Xu Ziyin・Roada)という名の現在23歳の練習生です。
偶々目にしたボーカル動画をきっかけに、徐紫茵の様々なボーカルカバーを聴いてみました。聴けば聴くほど、彼女の多彩な表現と豊かな声量に引き込まれました。
まず最初にご紹介したいのが、Red Velvetの「Rookie」をカバーした動画です。聴いていて笑ってしまうほどですが、徐紫茵はアイリン、ジョイ、イェリ、スルギ、ウェンディの声をひとりで完璧に歌い分けています。それも決してモノマネということではなくて、レドベルがグループで歌っているムードを再現しようとした結果、それぞれのメンバーに自然に似たという形です。特にスルギとウェンディの歌い分けが見事。徐紫茵は2人の発声の違いを完全につかんでいます。
これも同じようなカバー動画ですが、徐紫茵はAOAジミンのラップを巧みに再現しているばかりでなく、ソルヒョン、ユナ、チョアなどのボーカルを発声から歌い分けています。特にユナはボイストーンまで似ています。チョアは声質は違いますが、歌い回しはそっくりです。最後のこってりしたビブラートでクスッとしてしまいます(繰り返しますが、決してモノマネのつもりではないと思います)。
これは約1年前に出演したテレビ番組で、miss Aの「I Caught Ya」を歌った映像です。ここではmiss Aの歌い方に寄せようという姿勢はなく、Keyも原曲より下げて全編を地声で歌い通しています(miss A自身はサビでスジがファルセットになっています)。聴きどころは後半の地声のハイトーン。徐紫茵は基本的に声が太いです。
その声の太さを活かしたのがアデル「Hello」のカバー。とてもソウルフルで低音も良く響いています。「本当にこの顔からこの声が出ているの?」という感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=IRpf2JhR-9Y
一方でLovelyzのカバーでは可憐で愛らしい歌声を聴かせています。たしかにスジョンはこんな感じです。またJINやKeiっぽさも出ています。後半のGFRIENDはユジュの一生懸命な歌い方がよく似ています。その他のパートもGFRIENDらしさがあります。つまり徐紫茵は色々な歌い方を自在にコントロールできるということです。
まったく気の早い話ですが、新しいグループに徐紫茵のようなボーカルがいたら、本当に頼りになると思います。「青春有你2」の放送が始まったら、徐紫茵のあっと驚くようなボーカルパフォーマンスに期待したいです。
(このチャンネルでその他の徐紫茵のボーカルカバーを聴くことができます)
https://www.youtube.com/channel/UCO-286noUBiMYCQgrANh5jw/videos