Billlie | 'trampoline' M/V 今から10数時間前、時を同じくして2組のK-POPガールズグループが傑作MVを公開しました。まずひとつ目はBilllie。これまでにもBilllieはクオリティの高い楽曲を数多くリリースしてきましたが今回は格別です。鬼才ハンジョンスPDがいよいよその正体をむき出しにしてきたという感じ。作詞・作曲・編曲に名を連ねるC'SAは、かつてシンシアの名で「MOMOLANDを探して」「アイドル学校」に出演したことでも知られています。2021年からプロデュース業を開始しBilllie以外にもaespa、NMIXX、fromis_9、Kep1erなどに楽曲を提供してきました。ハンジョンスPDとC'SAは要注目です。

XG - IYKYK (Official Music Video) 二つ目はXG。2001年にリリースされたm-floの"Prism"をサンプリングした楽曲で、2-Stepリズムが生み出す疾走感が、これまでにないXGの新たな魅力を引き出しています。デビュー前からXGを育ててきたサイモンPDもいよいよ遠慮なくなってきました。YouTubeコメント欄にはm-flo本人が感謝のメッセージを記しています。


2018-09-20

GFRIEND、初の日本オリジナル曲「Memoria」MVフルバージョン公開…なぜかリピート再生がとまらないサビメロの不協和音の秘密


名曲「Memoria」のMVフルバージョンがついに公開されました。

GFRIENDの10月10日(水)発売のJAPAN 1st SINGLE「Memoria / 夜(Time for the moon night)」収録で、初の日本オリジナル楽曲「Memoria」のミュージックビデオが、19日にAbemaTV及びYouTubeにてフルバージョンで公開されました。

今月初めにFMラジオで放送された音源を、すでに数百回は聴いていますが、細部の音が明瞭になったMV音源で感動を新たにしています。



以前にも書きましたが、「Memoria」はGFRIENDのボーカルグループとしての魅力が濃縮された作品で、特に力強く切迫感のあるユジュのボーカルや、切なさの極みのようなウナの声色、涙腺のスイッチを入れるオムジのハイトーンや「We're Gonna Fly」と歌うソウォンの決然とした歌声は、何度聴いても感動的です。



また、最後のサビでユジュの主旋律にウナの対旋律が絡む場面は、あらゆるガールズグループ楽曲の中でも、最高レベルの音楽的な充足感があります。これはもう、アイドル曲というよりクラシック音楽の領域で、美しいかけ合いを聴くたびに、2年前に二人がウィーンでモーツァルトの生家やシューベルトの墓を訪れた場面を思い出します。


「Memoria」の疾走感ある短調の曲調はモーツァルトの交響曲25番、40番を思わせ、サビの歌メロのテンションノート(後述)は、シューベルトの未完成交響曲に通じるものを感じさせます。ウィーンの音楽の神が、GFRIENDにインスピレーションを降ろしたのでは?と思ってしまうほどです。


「Memoria」はボーカルが素晴らしいので、ダンス抜きのガチの生歌でぜひ聴いてみたいです。オムジの落ちサビからシンビ、ユジュと徐々に盛り上げて行き、最後にユジュとウナがかけ合い、ソウォンの「We're Gonna Fly」で締める流れは鳥肌ものだと思います。

ただ今のところ日本のリリイベで、ミニライブが無いようなのがとても残念です。一日でいいから、生歌も聴けるイベントがあるとうれしいです。



GFRIEND Memoria MV



▽なぜか再生を繰り返してしまう「Memoria」サビメロの不協和音の秘密

私だけかもしれませんが、「Memoria」は一度聴くとなぜかもう一度聴きたくなり、つい再生を繰り返してしまいます。また聴き始めた最初の頃、ウナが歌うサビメロの音がとり辛いということがありました。これに関してある事実に気づきました。


『Memoria, Memoria, 儚い記憶だけど 抱きしめて 強くな

というサビの「」の音は、この小節の「E♭7」のコード構成音から逸脱した音で、5度の音がシャープしたテンションノートになっています。ここだけ拾うと言わば「不協和音」です。本来は「B♭」になるのが正解なのを、あえて「B」のまま次の小節に突入してしまうことで、言葉にならない未解決の焦燥感が表現されています。この「B」とウナのセツナイ声がマッチして、何とも言えないやり場のない気分を生み出しています。


(青いラインがテンションノート・不協和音)


理論的には未解決のまま次へ進んでしまうので、聴く側は満たされない思いのまま曲が進行して行きます。また各ブロックの終結和音も決して主和音には戻らず、とうとうそのまま最後まで進んで終了してしまいます。最後もサブドミナントという、主和音ではない中途半端な終わり方です。

そこで聴く側は「このままではどうにも終われない」という気分で、つい再生ボタンを再び押してしまうのです。ただ、この未解決の焦燥感は楽曲の歌詞や世界観と合っていて、より一層の効果を生み出しています。作曲家の狙い通りと言えそうです。

ところで「Memoria」は今のところ、作詞・作曲の情報がわかりません。日本オリジナルですから日本人作曲家なのかもしれませんが、コードとメロディが織り成す「泣きのムード」は、GFRIENDのタイトル曲をデビューから手がけた、イギヨンべそのものという気もします。

イギヨンべは日本のアニメやカルチャーに詳しいとも言われ、こういうタイプの曲を作っても特に不思議はありません。GFRIENDの「耳をすませば(ジブリ)」「時を走って(時をかける少女)」は日本カルチャーの影響とも言われています。また、ヨンべの作曲チーム「仮面ライダー」はまさに、日本のそれから名をとっています。ヨンべは「仮面ライダー」として活動する時は、その格好で出て来るようです。

ただ、イギヨンべは最近2曲のGFRIENDのタイトル曲から外れています。そう考えると、やはり違うのかという気もしますが、果たしてどうでしょうか?




Posted in  on 9/20/2018 by TEN |  

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